認知症の母をベトナムに呼び寄せた娘が綴った海外介護エッセイ

今回は、2015年に松坂慶子さん主演で映画化された「ベトナムの風に吹かれて」の原作の紹介です。
当時話題になっていましたが、映画も未鑑賞で本も今回遅ればせながらようやく手にしました。

著者の小松みゆきさんは、1992年からハノイ日本語教師として働かれています。
2001年に認知症の母親(当時81歳)を自身のもとで介護するため、周囲の反対を押し切って新潟の田舎からハノイに呼び寄せることを決意。
そんなハノイでの母娘の生活は、多くのベトナム人と日本人に支えられながら、以後13年続くことになります。

本書に書かれているのは主にその最初の5年半の記録の一部ですが、それだけでも様々な微笑ましいベトナム生活の様子や壮絶な介護の様子の一旦が垣間見えます。
ベトナムに住んでいる僕にとっては、身近な地名や食べ物や通りの様子に親近感が沸く一方で、僕自身がベトナムに来る10~20年前のハノイの描写の中には、今ほどには発展していない自分の知らないハノイの様子も多くあり、非常に参考になりました。

認知症とはいえ元気でたくましい母親とその娘の生活と人生を描いた本書は、多数あるベトナム関連本の中でも、他にはない違った角度からベトナムに触れることができる一冊となっています。

ベトナムの風に吹かれて (角川文庫)

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ベトナムの風に吹かれて [DVD]

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