デング熱ワクチン最新状況(2017年10月現在)

デング熱は、蚊を媒介とする感染症で、発症すると高熱・激しい頭痛・関節痛・筋肉痛・発疹などの症状を引き起こします。
感染しても発症しないケースも多くあり、発症した場合でも通常1週間程度で症状は治まります。

ただし、稀にデング出血熱と呼ばれる重症型の症状(全身の出血傾向等)になることがあり、その場合は致死率も高くなるため、早急な処置(血小板の輸血など)と集中治療が必要です。
デング熱には4つの血清型があり、2回目の感染で1回目の感染時と異なる血清型に感染すると、重症型になるリスクが高まることが知られています。

デング熱は、2014年に日本でも約150人の感染が確認され、代々木公園での防除作業等がニュースになりましたが、基本的には日本での発生はなく、熱帯・亜熱帯地域での感染が多くみられます。

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(DW Akademieより)

少し古いデータ(2004~2010年)ですが、国別の感染者数は下記のようになっています。f:id:ryo-report:20171022181027j:plain
(World Mosquito Programより)

以前は、ワクチンもなく、感染した場合は対症療法を受けるしかなかったのですが、2015年12月にデング熱ワクチンがメキシコ、フィリピン、ブラジルで認可され、以降熱帯諸国を中心にワクチンの認可が降りてきています。

現在市場に出ているワクチンは、フランスのサノフィ社が開発したDengvaxia(デングワクシア)というワクチン1種類のみです。

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(MIMSより)

メキシコ、ブラジル、フィリピンの他に、下記19カ国で登録が完了しています。

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(Sanofi Pasteurより)

デングワクシアは、半年ごとに計3回の接種が必要で、接種の推奨年齢は12~45歳となっています。
異なる血清型への感染による重症化のリスクを防ぐために、4種類の血清型の抗原全てを含む4価ワクチン(弱毒生ワクチン)となっており、発症抑制に約6割の有効性が認められ、重症化軽減に約9割の効果があるとされています。
ただし、各血清型によって効果の度合いにはバラツキがあるようです。
デング熱ワクチンの有効性について:石原藤樹のブログ(元六号通り診療所所長のブログ):So-netブログ


サノフィ社の他にも、現在数社でデング熱ワクチンの開発が進められており、武田薬品工業(日本)とブタンタン研究所(ブラジル)の2社のワクチンが、承認前の最終段階に進んでいます。
デング熱ワクチンの臨床第3相試験において20,000名以上の小児・若年被験者の組み入れを完了 | ニュースリリース | ニュースルーム | 武田薬品工業株式会社

主な現在開発中のワクチンは下記の通りです。

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(Science Directより)

前々回の記事でも触れた通り、ベトナムでは今年、例年に比べデング熱の発生が多くなっています。
ベトナムでのデングワクシアの認可は来年2018年になりそうです。
今後のデング熱ワクチンの開発・認可状況に注目です。

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