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旅先で話すということ

前回前々回キューバ旅行の話を友達にしたら、見知らぬキューバ人の家までよくついて行ったねと言われました。
確かに、僕は以前、マレーシアで一歩間違うと結構やばいことになりそうな経験をしたこともあるので、旅行中は割と警戒するほうで、今回も自分なりに注意深く様子をうかがいながら判断しました。
 
たとえば、Gelardoは初めて会った日、次の日に会う約束をして別れた後10分後に戻ってきて他の散髪屋を紹介してみたり、次の日も、待ち合わせの時間までに悪いことをしようと思えばいくらでも用意する時間はあるのに、約束の10時にきっちり来なかったり(というかむしろたまたま後で会えただけ)と、怪しい感じがあまりしませんでした。
バスやタクシーをつかまえるときも、本当に今そこにいるバスに乗ろうとして満員で乗れなかったという感じで、運転手や他の乗客とグルになっている感じもありませんでした。

何より、散髪に興味を示したのは僕の方で、カタコトの日本語で声をかけられたわけでも、向こうから誘ってきたわけでもありません。
大丈夫かなどうかなと思いながらも、何かの縁で巡り合えたチャンスだなと思って、最終的には好奇心が勝ちました。
 
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僕はこれまで、留学、旅行、赴任、出張含めて18カ国を訪れる機会に恵まれてきて、海外にいることの経験値が少しずつ上がってきました。
1人で海外にいてもあまり緊張しないというか、あまり海外にいるという感覚がなくなってきつつあります。
その一方、初めての場所を訪れても新鮮さが薄れてきているのも事実です。
そんな中で、最近は、旅先で絶景や観光名所を観るよりも、何かを体験したり、
人と話したりする方に面白みを感じるようになってきました。
 
作家の村上龍さんが、小説とはデータであり、情報であると言われていますが、その意味するところは、共感できる情報や面白い情報、新しい情報や役に立つ情報がどれだけ含まれているかが小説の価値だということだと僕は解釈しています。
そして、そういう意味では、僕は旅も情報だと思っています。
 
息を呑むような美しい景色や歴史ある世界遺産を観ることも、そこでしか味わえない情報の1つですが、旅先での会話もそれと同じく、もしくはそれ以上に情報量があることがあります。
人間には言葉にしないと理解できないことや伝わらないことがあるというのは、旅にも当てはまることで、旅の目的にもよりますが、情報量の多い旅にするためには、現地での会話は欠かせません。
そして旅先では、普段の自分とマインドが変わって少しハイな状態になることが多いので、何のしがらみもない初対面の人と、その時間を共有しながら、少しオープンに話せる心地よさもあります。
 
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去年のテト(ベトナムの旧正月)休みはフィリピン・セブ島の語学学校に一週間だけ超短期留学をしました。
鈍ってきた英語をブラッシュアップしたいということもありましたが、いろんな人と話をしたいというのも目的の一つでした。
マンツーマンの授業が多く、朝から夕方までほぼ缶詰め状態で1時間ごとにいろんな先生の授業を受けられる学校だったので、フィリピン人の先生達から、その生活の様子や性格の一端を知ることができました。
また、留学しに来ていた日本人とも一緒に食堂でご飯を食べたりして仲良くなれました。

今回のキューバ旅行でも、話ができれば散髪でなくてもよかったし、むしろ今回みたいなケースは稀で、仮に現地で散髪したいと思っても、ローカルの散髪屋さんに自分で入るのも勇気がいります。
ただ、最近は日本人の美容師さんが海外でお店を出しているケースも多く、現地の日本人の美容師に髪を切ってもらい、そこで話をするというのも一手です。
僕も上海に出張で行ったときに立ち寄ったことがあります。
ちなみに日本人の美容室はハノイでも最近すごく増えていて、10店舗近くあります。
 
旅先で気軽に話をする機会としては、日本人向けの日本語の現地ツアーがあります。
大きな都市ではJTBやHISなどが支店を出していて、そこで申し込むことも可能ですし、現地の日系旅行会社が、独自のツアーを開催している場合もあります。
ガイドしてくれるのは現地に住む日本人の方か、日本語を話す現地の方なので、日本語で質問できるし、一緒に参加している日本人とも話せます。
余裕があれば、専属のガイドを雇う旅もいいかもしれません。
 
日本食屋さんや日本人オーナーのバーに行ってみるのもありです。
わざわざ海外で日本食に行くこともないというのもそうなんですが、お店によっては、日本人のオーナーや日本語ができる現地スタッフと話すこともできます。
また、日本人が多く住む都市では、現地に住む日本人向けに、日本語の情報誌が発行されていることが多いので、日本食のお店でそういうものを手にすると、ガイドブックとはまた違った情報を活字で得ることができます。
 
他にも、SNSを使って、現地に住む人と交流する方法もあります。
僕はまだ試したことはありませんが、その気になればFacebookで事前に友達申請してコンタクトをとり現地で会うこともできるでしょうし、国際交流専用のSNSカウチサーフィンを使うと、うまくいくと現地の人の家に無料で泊めてもらうことも可能なようです。

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今回たまたまGelardoに散髪してもらう機会にめぐまれて、とても新鮮で面白い時間が過ごせたと思う一方、急な展開だったので少し警戒しながら何を話せばいいか少し戸惑ってしまい、旅先で話すことの面白さや重要性を感じつつも少し話しきれなかったという実感もあります。
英語が半分くらいしか通じないということもあったにせよ、ツアーで行ったのではなかなかないローカルの人と話をする機会だったので、もう少しいろいろ質問して入り込めればよかったなと思いました。

とはいえ、少しずつ自分の旅のスタイルを変化させようとしている中で、今回は意識を持って話をする機会をつくることができました。
話すことに力点を置きながら、そしてその機会を活かせるような旅を、もっといろんな国でしていきたいです。