津口先生の授業

前回の関先生の話に続き、先生ネタでもう一つ。
僕が受けてきた学校教育で、教え方が一番よかった先生、
それが、中学で社会を教えてもらった津口先生です。

ちなみに通っていたのは公立の普通の中学校です。
 
津口先生の授業は毎回、前回までの授業の「復習」で始まります。
方法は極めてシンプルで、クラス全員への口頭諮問です。
ひとりひとりに順に質問していき、答えられなかった生徒はその場に起立。
誰かが正解を答えるまで次の生徒に同じ質問が回ります。
クラス40人全員に質問を終えると、

答えられなかった生徒がだいたい15~20人位、起立して残ります。
 
津口先生は、起立した生徒に対しさらに質問を続けます。
生徒は答えが分かったら手を挙げて答え、正解したら座ります。
起立している生徒が5人になるまで質問を続け、

「ベストファイブ」を決め終了です。
ストファイブになったからといって、何かがあるわけではないけど、
みんなが見てる前でひとりひとり質問されるので一定の緊張感が伴います。
だいたい50分授業のうちの最初の20分くらいは、この「復習」です。
 
津口先生の授業では、教科書を基本的に使用しません。
ワークブックの設問を1問1問解きながら解説していき、
もしもワークブックに書かれていない重要なことがあれば、補足します。

当然「復習」の内容もワークブックが中心で、
テストも基本的にワークブックから出題されます。
 
この教え方に対しては、少なくない数の保護者から、
「ワークブックだけで本当に大丈夫なのか。教科書も使うべきだ。」
といった批判の声もあがっていました。


津口先生は、

「本当に大事なところに絞って集中して学んだほうがいい。
 ワークブックで基本はほぼすべて網羅されているし、

 足りないところは補っている。」
と反論しました。
 
結局、津口先生は3年間このやり方を貫きとおし、結果も出しました。
市内の生徒が定期的に受ける共通テストでは
僕の中学校の、僕の学年の社会の成績は、

他の教科や他の学年の社会の成績と違い、いつも上位に入っていました。
 
生徒にとっても津口先生の教え方はとてもありがたいものでした。
毎回の授業で、くどいくらい「復習」が繰り返されるので、
テスト前までには、自然にほとんどのことを覚えてしまいます。
僕は割とテスト前に詰め込むタイプでしたが、
社会だけは、いつもほんのちょっと確認するくらいで済むので、

とても楽だったのを覚えています。
 
当時僕が唯一「困った」のは、頑張っても差がつきにくいということでした。
生徒はテストに出る問題が事前にほとんどわかっていて、
かつ授業中に生徒のほとんどが、かなりの内容をマスターしてしまうため、
結果的に、平均点がすごく高くなります。
75点くらいあることも普通でした。
でもそれは、多くの生徒が基本事項をきっちりと修得しているということで、
教え方として大成功でした。
 
たくさんの先生に習ってきましたが、
テストに出す問題は普通は教えてもらえず、
なかには、広い試験範囲を設定して、試験内容を執拗に隠す先生もいました。
学年や教科にもよるかもしれないけど、

修得させることがテストの一番の目的だとするなら、
テスト問題はこの中から出すという限れれた範囲を事前に教えておいて、
とにかく基本を完璧にマスターさせるほうが理にかなっていると思います。
 
卒業してから10年以上が経ちましたが、

今でも津口先生に教えていただいた時間はすごく印象に残っています。

 

みなさんの印象に残っている授業はどんな授業ですか?